バトレボ後期からの評価変遷(第3世代)

続き




バシャーモ E→B

かつてはフライゴンと肩を並べる二大劣化ポケモンとして名を馳せたポケモン
素早さ、技の範囲等その多くが同じタイプかつ御三家の1体であるゴウカザルに大きく劣っており、軍鶏という二文字だけで罵声を浴びせられる存在だった。

BWではバトレボの強ポケ、メガヤンマの代名詞と呼べる特性だった「かそく」を夢特性で習得。
しかしその入手方法は1冊790円(税別)の攻略本に付いているシリアルコードを入力→ホウエン御三家の中から1体だけを入手
という恐るべき課金システムであり、さらにはその発売地域毎に大きく偏っているという説も有りその入手には困難を極めた。

かそくという強特性を得ながらもゴウカザルの劣化というレッテルを容易に剥がすことは難しく、その強さもシリアルコード入力期限一ヶ月前辺りというギリギリの時期で認知されはじめる。
同時に「アチャモくじ」という言葉は2011年度の流行語に数えられであろうほど見かける機会が増えた。

注目すべきその性能だが炎・格闘という元々優秀な格闘タイプ持ちと御三家の種族値のバランスの高さ
BWの威力強化によりいのちのたまを持った状態でのとびひざげりはハチマキガブリアスげきりんと同等の火力があり、さらに1ターン後に素早さも上昇していくため、その受けをすることは並のポケモンでは難しかった。

ラグバシャ・雨バシャーモ・カババシャーモとその性能を活かす構築が増えたが、徐々にヤドラン、ハチマキカイリューといったポケモンも評価を上げ始め、以前のような全抜きは難しくなった。

その後はめざめるパワー氷持ちなど元々の種族値のバランスを活かした技構成で環境に順応。

一時期よりは評価を落としたが、油断してしまうと簡単に全抜きされてしまうことも珍しくない。



ラグラージ B→C


ホウエン御三家の中で最も種族値が高く、水・地面というライバルは多いが優秀なタイプの組み合わせ。

配分次第ではガブリアス剣舞げきりんラティオスのメガネりゅうせいぐんを耐えるなどその受け性能も優秀。

ギャラドス等にスキを見せることもあったが、バトレボの流行でもありトップメタに近かったバンギラスメタグロス・サンダー・ライコウヒードランに強く、スイクンにはない器用さと耐性の広さから終盤ではそのKPを大きく上げることとなった。

第5世代ではほとんどの水タイプの天敵となるナットレイと水ロトムの登場や何よりラティハッサムに太刀打ち出来なかったことからその使用率を落とす。

サンダー・バンギラスライコウヒードランといったポケモンも初期から使用率を落としていったことも原因だろう。

雨パの登場、流行からさらにその地位を落とすことになるかと思いきやカバルドンと同じあくびほえるステルスロックという相手に起点を作らせずにステルスロックで削っていく戦法が評価され始める。

その自身の起点を作りつつ相手を流していく戦法は同じホウエン御三家であるバシャーモと共に構築に組み込まれ、ラグバシャというPTを確立した。

バトレボの頃のように容易に組み込んでいけるポケモンではなくなったが、くさむすび持ち以外のボルトロスに強い点なども評価が高いこと等からわずかなPTの隙間を埋めてくれる存在になってくれるかもしれない。



ルンパッパ D→E


水・草という超優秀な複合タイプを持ち、種族値のバランスも良かったためそのタイマン性能の高さを評価された。

いのちのたまを持たせたアタッカー、受けに特化し宿木でHPを削っていくやどみが型などその器用さは抜群に高い。

第5世代ではナットレイといった強力な草タイプの登場や火力と積み技のインフレからその持ち前だったタイプの優秀さとタイマン性能の高さは薄れ、元々流行していたというわけではないがほとんど見ないポケモンになってしまった。

ラティハッサムの流行もその減少に大きく拍車をかける。

あめふらしニョロトノの登場もすいすいであるこのポケモンは恩恵を受けることとなったがキングドラやはらだいこニョロボンと比較するとやはりその火力不足は否めない。

対雨パメタで採用した場合も雨パでの採用率が高いナットレイに受けられ、キングドラにはドラゴン技で簡単に押し切られてしまう。

影は薄くなったが第4世代から第5世代の環境の変化を体現したポケモン



キノガッサ B→A

バトレボの催眠仕様により採用率は高かったように思えるが実はあまりいなかったポケモン

ねごとヘラクロスやラムサンダー、逆に起点にされてしまうゲンガーの存在やそのゲンガーによる催眠対策の徹底さもあったかもしれないがその開拓が進んでないことも原因の1つだったかもしれない。

BWではローキックという相手のSを1段階下げるという追加効果を持つ新技により注目度を高めた。

ローキックという新技により催眠みがわりのループの範囲が大きく広がったため多くのPTがその対策を強いられるようになった。

後にテンプレと呼ばれる耐久調整も登場し、同時にその採用率も上げることになる。

このポケモンの持つ素早さ種族値70 最速134を抜いているか抜いていないかで試合状況が大きく変わってしまうため、多くのポケモンの素早さ調整の目安となり、多くのポケモンに影響を与えたと言える。

この存在はやはり大きくウルガモスのラム持ちの多さや雨パのニョロトノのめざめるパワー飛行持ち、キングドラのねごと持ち、ナットレイのカゴ持ちの多さ等からも分かる。

その技の豊富さも魅力の1つで威力150技でエアームドやはねやすめハッサムの突破を可能にするきあいパンチ
安定した草技であるタネばくだん、みがわりに強いタネマシンガン
物理耐久を上げ決定力と耐久力を上げるビルドアップ、使いどころを分けることになるがキノガッサミラー等の撃ち合いに強くなれるドレインパンチ

またいわなだれを覚えるためラム持ちウルガモスに絶対的に弱いというではないためその対策も徹底したものとしなければ安心は出来ない。

途中天敵となるポイズンヒールグライオンの登場と流行、205ガブリアスのみがわりをローキックで割ることが出来ず逆に起点にされてしまう点から評価を落とすがガッサパルシェン、ガッサドランという組み合わせから対応。

現在でもトップメタであるカバドリラティに1体で大きく圧力をかけることが出来るポケモンである等活躍の場は依然として広いためPT構築の段階から対策をしておくべきポケモン

夢特性であるテクニシャンも強力でマッハパンチ、ローキック、タネマシンガンなどその効果の及ぶ技も広く覚えるため登場に期待がかかる。



ココドラ 評価外→D

バトレボの採用率は当然だが皆無、

BWでの特性がんじょうの仕様変更によりその評価を大きく上げることになった。

当初はかいがらのすずを持たせ、がむしゃらを撃つスタイルが動画等の影響により有名だったが開拓が進みきのみジュースを持たせて繰り出し、がむしゃらを放つという戦法がテンプレ化した。

バンギラスの砂と組み合わせることでココドラのがむしゃら後に砂ダメージで落とすという運用方法が主になる。

lv1で運用されるが技が貧弱というわけではなくほえる・ステルスロック・どくどく・すなあらし・こらえると中々厄介な技を覚えるため注意が必要。

・再生技持ち・連続技持ち・特性てつのとげ、ゴツゴツメット・ゴーストタイプなどに弱くこれらのポケモンが相手のPTにいることも少なくないためその選出は慣れていないとかなり難しい。



トドゼルガ C→D

ユキノオーのゆきふらし+トドゼルガのまもみが残飯アイスボディによる無限回復を行う雪トドというPTに採用された。

バトレボ後期では流行 シングルで採用される天候変化もバンギラスユキノオーしかおらず、対策は必須とまではいかなかったがその選出画面での圧力は絶大なものがあった。

BWでは特性がんじょうの強化、新技ボルトチェンジガブリアスのダブルチョップ習得、カバルドンの採用率の上昇、ニョロトノキュウコンという新しい天候ポケモンの追加、ポイズンヒールグライオンの登場、キノガッサの流行、ノイクンの流行、ラティハッサムの流行 何よりパルシェンの強化がトドゼルガの評価を下げた最大の要因だろう。

バトレボでは容易に成功した無限トドゼルガだが上記の要因によりその成功は難しく、最大PP24の安定技であったなみのりではなくPP8の不安技のふぶきを採用せざるを得ない状況になってしまった。

かといってその存在は軽視出来ず、選出画面での圧力も依然として圧倒的。

トドゼルガの強みとしては上記の対策に成り得るポケモンを半強制的に選出させることが出来るためそこに選出読みを当てていけば大きくアドバンテージを稼いでいけるかもしれない。



サクラビス 評価外→C

同じ進化元であるハンテールと対を成すポケモン

てっぺき・こうそくいどう・アクアリングといった技からバトンタッチで後続につないでいく程度の使い方しかされていなかったがこのポケモンパルシェンと同じく強力な積み技からをやぶるを習得。

しかしその注目は当初薄くレーティングでたまにしろいハーブからをやぶるを見かける程度だった。

後に開拓が進み、トリック・ちょうはつ・おきみやげ・両壁といったサポートから後続のサクラビスのからをやぶるを安定させるという球ハッサムと同じような形で運用されはじめる。

バトンタッチを覚えるものの「単体性能が低い」というわけではなく破った後ならば187-135メタグロスですらハイドロポンプで1発という指数の高さを見せ、不利な対面になったらバトンタッチで後続に逃げる。という積みポケモンとは思えない柔軟な動き方が可能。

特性もすいすいでありニョロトノあめふらしのサポートがあればその火力と素早さも大きく上昇することになる。

バトンタッチでつないだ後のガブリアスローブシンも高い火力を持ち、後続も含めてサクラビスと対面したときの処理は非常に困難。

最近の大会でも徐々に結果を残し始め、その注目度も高い。

特殊耐久がかなり低いためおきみやげやひかりのかべ等のサポートは必須。



ボーマンダ B→D

かつては威嚇という特性、スカーフ、球りゅうのまい、ハチマキ、メガネの存在といった種族値による受けにくさからトップクラスの評価をされていたポケモン
数の多さから持ち物が分かりにくく、判断もつきにくいことから非常に受けの難しいポケモンだった。

しかし終盤からその評価を徐々に落とし始め、まだまだ多かったものの全盛期の頃には程遠い数となる。

その風潮はBWでも収まることはなく減少は続きそのKPが1桁や0に近いということも珍しくなくなっていった。

途中バンギドリュウズのテンプレPTで対ローブシン、水ロトムへの補完として両刀球ボーマンダが組み込まれ、流行となったがその流行も長くは続かず衰退。

さらに同じタイプを持つマルチスケイルカイリューの流行もあってその地位を大きく落とした。

現在も低い使用率が続いており、バトレボ全盛期の面影はほとんどないものとなった。

その種族値の高さと受けにくさからまだまだ活躍を見せる機会はあるかもしれない。

夢特性の強特性であるじしんかじょうを習得しており、解禁されたがげきりんりゅうのまいという強力な組み合わせの技を同時に覚えさせることが出来ず、さらにげきりん持ちじしんかじょうボーマンダもPDW限定の存在であるためその入手難易度は高い。



メタグロス A→C

クリアボディという強特性、バレットパンチという先制技 耐久力 タイプ優秀と600族の代表格であるポケモン

バトレボ後期では特殊耐久を上げ、こうてつプレートなどを持たせて火力を補完したプレートグロス

催眠対策としてのラムグロスガブリアス等に撃ちあってだいばくはつの機会も稼ぐシュカグロス

さらには両刀可能な種族値による帯グロスなどその用途は様々。

だいばくはつの威力が威力500というほとんどのポケモンを一撃、半減でもほぼ瀕死状態まで持っていける威力だったため、選出しても腐ることはほとんどなく、非常に優秀なポケモンだった。

BWではそのだいばくはつの威力が半分になり、若干の衰えを見せたが希少な鋼タイプとしてその地位を保った。

初期はバンギラスと同じく弱体化が囁かれたがテラキオンを受けれる数少ないポケモンとして評価され、シュカとれいとうパンチを持つことによってガブリアスと撃ち合うようになった。

バンギローブという組み合わせに一貫して強い数少ないポケモンであり、自身もロトムグロスという組み合わせで流行し、スタンダードの形としての代名詞となった。

ライコウの減少とナットレイ、ふうせんというアイテムの登場からバトレボで多かったじしん持ちは少なくなりアームハンマーを持つように。

しねんのずつき/アームハンマー/れいとうパンチ/バレットパンチ@シュカのみ という技構成を見るようにバトレボの頃とは大きく技構成が変化したことが分かる。

その後もシュカ持ちも数を落としオボン持ち、ハチマキ持ちとして環境に順応していったがスタンダードPT→コンセプトPTという環境の流れについていけずその数と評価を落とすことになった。

特にカバドリとハッサムの増加はその評価を落とす大きな2つだろう。

コンセプトPTに弱いというわけではなく、ハチマキトリック、特性によるおきみやげの効かないだいばくはつでの起点処理と運用方法は広いためまだまだ評価を取り戻していく可能性は十分にある。



ラティアス A→C

球竜舞ギャラドス、球ゲンガーという受けと対処の難しかった2体を同時に処理出来るとしてその評価を大幅に上げたポケモン

メガネを持たせての運用が多く、ラティオスに大きく劣るその火力を耐久の高さによる繰り出し回数の数でカバーされた。

上記のメタとなる2体が減り、おいうちバグの消滅からラティオスが優先されるように。

自身はハバンの実を持つことでドラゴンとの対面や当時処理の難しかった雨パに対応を図った。

雨パへのメタも固まり、ハバンラティアスの使用も同時に減ることとなるが、

耐性の高さを活かした瞑想じこさいせいサイコショック
後続のポケモンを全回復させ退場するいやしのねがい というおきみやげとはまた違うが強力なサポート技などでラティオスとはまた違った面での活躍を見せる。

メガネを持ったラティアスもいなくなったというわけではなく、繰り出し性能による使い勝手の良さからまだまだ愛用者は多い。



ラティオス A→S

C130S110からの威力140りゅうせいぐんという圧倒的な火力を誇るポケモン

おいうちバグもありバンギラス環境と呼ばれたバトレボではその評価を一線引いたものとなる。

この頃のハッサムはオッカ持ちが少なかったため、めざめるパワー炎はほとんどのハッサムを倒せた。

現在では主流だがバトレボではラティハッサムという形での使用は僅かだった。

BWではバンギラスのおいうちバグの消滅、テラキオンを上から叩ける存在としての評価も有り、程なくしてラティハッサムとしての流行を見せる。

ハッサムのとんぼがえりで受け回し、ラティオスの行動回数を稼ぐこの2体の組み合わせは構築を選ばず様々なPTに入ることとなり、大会KPも順調に上げていくこととなった。

その2体で補いきれない点の補完と決定力を持ったテラキオンを加えたラティハッサムテラキという形も非常に有名。

技構成としては新技という注目度、一致技、ウルガモスやラッキーの対処方法としてサイコショック持ちが多かったが
受けループや積み技への対処 起点作りからトリックという技の評価も徐々に上昇。

8月頃には攻撃技としてCを落とさず、相手のグライオンキノガッサなどの起点を阻止するりゅうのはどうの評価が上昇していく。

そしてこれまではアタッカー型としてのラティオスが前提だったがおいかぜ、両壁、おきみやげ、しんぴのまもり、トリックというサポート技で技を固め、後続の全抜き性能を持ったポケモンのサポートをするというHS壁貼りラティオスが出現。

特にハッサムと組み合わせたラティハッサム形は選出画面ではサポートかアタッカーかの判断が付きにくく、その対処がより難しくなったといえる。

今現在でもカバドリラティ、ラティハッサム、全抜きPT といった形で多くのPTで採用されており、KPもトップ。

間違いなく環境の中心に立っているポケモンであろう。